ケ・サラ・サラ

生活の記録

プロの仕事

ふてくされるみたいに寝てしぶしぶ起きた。莫大な睡眠負債を抱えてる感覚がある。かろうじて金曜日だな〜と思いながらのろのろと支度をした。弁当生活を続けているとたまに外食した時の喜びがすごい反面、なんとなく身体の変化を感じる。今日はお弁当を持っていくぞと力強くおかずを詰めた。そろそろ出かけようかという時に息子が起きてきた。ふらふらと食パンを焼こうとしているのを途中から引き受けてイチゴジャムトーストとはちみつバタートーストにした。ありがとうと言ってほとんど目をつぶった状態で食べていた。気持ちがわかり過ぎる。私も金曜日だぞというただそれだけでなんとかやっていく感じだ。

 

電車はいつもよりずっと空いていた。職場は金曜日にしては人が多くいて、全体的に落ち着かないざわついた感があった。とりあえずこちらに預ける感ビリビリのメールが次から次へとやってくる。あと10日あるし。さらっとやっていこう。

 

夜は焼き鳥。今週は夜中に帰ってくる息子のごはんを2、3回作っただけだ。飲み会の韓国料理、翌日はイタリアン、それからインド料理店で5種類のカレーの日、焼き鳥。多国籍ウィークだった。焼き鳥は私たちが特等席と呼ぶカウンターの炭台の前の席だ。鮮やかで細やかで心のこもった丁寧な仕事ぶりを眺めながら食べる焼き鳥は素晴らしい。焼き方の方は無駄な動きがない。開店前から行列ができ、開店と同時に満席になってから途切れることのない注文をずっとひとりでこなしている。焼き上がった焼き鳥をのせるお皿を必ずのせる直前にきれいに拭いている。重なってる状態の時もきれいなお皿をさらに拭いてくれるそのひと手間。しかもほとんど音を立てない。食器同士がぶつかる音がしないのだ。なんて丁寧なんだろうね…としみじみ小声で囁きながら焼き鳥を味わった。ここにくると仕事とはみたいなことを必ず考えてしまう。良い場所。大好き。

 

家に帰り少しうとうとするも、金曜日だぞ…と眠気を引き剥がすように目を覚ます。力ずくだ。心置きなく夜更かしできる貴重な時間。甘いパンとチョコレートを食べて録画していた先週のグランメゾン東京を観る。3回目だけど見飽きない。夏樹と(キムタク)その師匠のストーリーを通して三つ星を取るために何が必要で何が足りてないかをみんなが考えるという回だった。師匠役の木場勝己さんの演技が素晴らしく、2回目にお店にやってきてもう一度料理を味わう様子がなんとも言えず…そのシーンをまた繰り返し観た。

木場さんをどこかで見たなーどの番組だろうと考えて…思い出した!アンナチュラルの神回じゃん!どうしようもないろくでなしの勘当した息子が焼死体で発見され、駆けつけて亡くなった息子を罵倒する父親役が木場さんだった。UDIによって真相が明かされると、勘当されて帰る場所がなくなった息子は自分の居場所とも言える雑居ビルのスナックの客や店員を火災から助けようとロープを身体に巻きつけて1人ずつを背負いながら場所を移動して最後に力尽きるというものだった。ロープの巻き方は消防士だった父が幼い頃に教えたやり方で…あーもう書けない…号泣…そのことがわかってそして木場さんの最後の礼。礼をするだけで心をわしづかみにされる。ぶ厚い演技だった。今回のグランメゾン東京でも気持ちの全てを持っていかれた。

 

師匠のレストランで気づきがあった京野(沢村一樹)が、襟元をピシッと正して、「大変お手数ですが、もう一度ご注文を伺ってもよろしいでしょうか。細かく教えていただけると助かります」とオーダーを取り直すところも何回見てもぐっとくる。グランメゾン東京…終わらないで欲しい。