ケ・サラ・サラ

生活の記録

思わず膝を打つ

2時間違うだけでずいぶん印象が変わるんですね、とレッスンになると鬼軍曹に豹変するインストラクターさんがしみじみと言った。これまで午後3時ごろだったクラスが2時間前倒しになった。受ける層というか時間時間でジムにいる層が違うのだ。めちゃくちゃにキツく厳しいクラスなので敬遠されがちだけど、以前の時間帯ではそこが好きと続いてる人も多かったので、インストラクターさんは残念そうにしていた。この日は8割くらいが初めて受けるという方々だった。大好きなクラスなので受けてる全部の方に好きになって欲しい。どこから目線⁈って感じだけどたくさんの人が参加して盛り上がるといいなと思う。全身全霊のスパルタレッスンにみんながハマりますように。

鬼軍曹の後はかわい子ちゃんのグループファイトを受ける。それまで1時間空くのでトレッドミルで走った。イヤホンを忘れて音楽も聴かず、TVも観ないでいたらぼーっと無になってしまい走り過ぎた。今回のグループファイトの新曲はとても楽しい。振り付けが少し複雑でテンポが速く運動量が多いところがとてもいい。

 

いろいろ満足して一旦家に帰る。今日は前のジムのジム友との忘年会だ。みんなパワフルで芸達者。ここでは飲み会イコールカラオケなので、いつもの大きなカラオケ店に集合する。到着した途端に全力のネタが披露されていた。Tシャツに大きく Tの文字。T T兄弟だ。本番一発勝負とは思えないほど良い仕上がりで笑いまくった。私を除いた10人が次から次へと曲を入れ、立ち上がり、伸びやかに歌い踊り、いつもの光景とはいえそのエネルギッシュさに圧倒される。ジムでは静かに筋トレをし、スタジオレッスンの時はいちばん後ろの端っこに陣取るどちらかと言えば無口な方が、バリバリのロックをシャウトしていて、自己の開放を感じた。定番の恋ダンスは完璧なパフォーマンスだったし、アナ雪のデュエット、パプリカ、懐メロメドレーと途切れることなく私以外の誰かが歌っていた。手拍子して一緒に歌って笑って大きな声を出して元気が蔓延していた。

私だけが別のジムに移り、みんなは今も同じジムで仲良くトレーニングを続けている。一緒にレッスンを賑やかに受けてい頃を懐かしく思い出した。

 

仲間の1人にひときわマッチョな男性がいる。毎日ジムに通いバキバキに鍛え上げている、高校生のお嬢さんと小学生の息子のパパだ。80年代アイドルにのめり込んだ、しかも「なりきる方向で」と言ってて、明菜。聖子、河合奈保子、Winkは完コピできる。初めてそのパフォーマンスを目の当たりにしたときは膝から崩れ落ちた。プロレスラーみたいな風貌で北ウイング、難破船、十戒を切ない眼差し憂いの表情で歌い上げていた。キレのある振り付けもパーフェクトだった。ギリギリ感までももれなく演じ切っていて凄まじいなりきりだ。佇まいと弾け具合に全員が大喝采だった。Winkではごりごりの身体と無表情でくるくると回転するアンバランスさに、聖子ちゃんの赤いスイートピーでは内股で手をひらひらさせるミスマッチさにお腹が捩れるほど笑った。なんなのこの芸は。何者なんだ。

 

今回もミ・アモーレを儚げに歌い上げ席に戻ってきた彼をめちゃくちゃに称賛した。子供の頃夢中になったことをこんなところで披露できるなんて不思議〜とまだアイドルのままだった。誰にも一度も見せたことなくて、職場の飲み会でももちろんやらないし、家族も知らないんだよね…と話す彼に、そんなに秘密にしてるのになんでここではやれちゃうの?しかもあの全力…と尋ねた。キッパリと即座に

「利害関係がないから」と返ってきた。

今年一番の納得のいく言葉だった。